北九州という土地で福岡を消費すること
トピック「福岡」について
僕はいま東京に住んでいる。
東京の世田谷にいる。
東京という土地は日本全国から様々な人が集まって来る土地であり、そして日本のヘソでもある。
だから、初対面の人と出身地の話、通った学校の話になることは往々にしてある。
そして僕はその度に自分が福岡の出身であることを告げる。
すると大抵の人は、そこから連想したワードを出して会話を盛り上げようとするものだ。
出てくるワードは、博多、明太子、とんこつラーメン、修羅の国である。
僕はいま25歳だが、どの年代を相手にしていても出てくるワードは大して変わらないのではないかと思う。
しかし、厳密にいうと僕の出身は北九州であり、福岡市内ではない。
十八まで福岡にいたが、その間博多に行ったことなんて両手で数えられるほどしかない。
もちろん北九州にもラーメンといえばとんこつしか出さないお店は多くあるし、うまかっちゃんはどこのスーパーにも売っている。それからポテトチップス九州しょうゆだってどこのコンビニにも置いてある。
「、」と「◯」で名高いかばたという明太子の会社だって社長の息子が隣の高校にいた。
しかし、博多ではないのである。ハイソサエティな街天神でもないのである。
最近モアイに掲載されたチクホー男子という漫画がとてもしっくり来る高校生だった。
僕はずっと自転車通学だったが。読んでもらうとわかる通り、九州男児は馬鹿である。
決して誇張ではない。男子の半分は馬鹿だ。
それも愛すべき馬鹿である。
非常に共感できる内容であるし、そもそも漫画がおもしろいので是非読んで欲しい。
前置きが長くなったが、何が言いたいかというと、僕は福岡を消費していないのだ。
一蘭だって、一風堂だって数えるほどしかいったことがない。高校生のお小遣いで行けるお店なんてたかが知れている。
高校2年生のとき、お年玉貯金を握りしめて大名に服を買いにいったのが懐かしい。
それから、大学を卒業して一時、天神で仕事をしていたので大名周辺の美味しいお店くらいはわかるが、それでも昨今話題になっている福岡の悪評(愛のこもったものだと僕は解釈しているが)にはあまりピンと来ない。
手榴弾なんてみたことないし、ヤンキーの数だって昔と比べたら減ったように思う。
西鉄バスだっておばあちゃんとおじいちゃんの乗り物だし、列をつくるほど混みあうことの方が珍しい。
僕が東京に来て一番カルチャーショックだったのが、なんで平日のユニクロで並ばないと服が買えないのかということだった。それから自転車をとめるのにお金をとられるなんてなんて世知辛い街なんだと憤慨したことをよく覚えている。
僕の生まれ育った地域はちょっと特殊で、原付きにノーヘルで3人乗りしている若者はよく見たし、ベンツを運転する小学生にも会ったことがある。
僕はみたことがないが、シンナーを吸いながら運転している車に出くわしたという話を小学校の担任から聞いたことがあるし、隣に住む先輩はアイスピックを握って中学校に通学していた。大学に入ってからは、地元の友達が拳銃を持った人と付き合っているような話も聞くようになった。ラジオのDJだったらしいが詳しくは知らない。そういえばロケットランチャーが発見されたのも僕の高校の校区内だった。
こういった例をあげると修羅の国といわれても仕方がない気がするが、思うにこのところはてブで話題に上がっているのは、福岡出身でない人が仕事などの都合で福岡市内で過ごして感じたあれこれという狭い範囲に留まると思う。
いろんな意見が上がっていて僕も懐かしく読ませてもらっているが、
誇張されている点や同意できない点も多くある。しかし僕は北九州という土地で福岡を消費しただけの人間なので、市内のことは詳しくしらないからあまり信ぴょう性のある意見といったものも持てない。
それでも、福岡は美人都市だ。知り合いのカメラマンが言っていたが、美人都市は秋田と新潟と福岡なのだそうだ。秋田は色白で胸の大きい女の子が多く、新潟は透き通った透明感のある女性が多く出るらしい。福岡は南の方の血が濃いからか、目鼻立ちがはっきりしていて、笑顔が綺麗な女性が多いらしい。
たしかに芸能人を多く輩出している土地であるようにも思う。
それとごはんが美味しい。
まあこれは、僕が福岡の味に育てられたからだということもあるだろうが、東京に比べやすく美味しいものがたくさん食べられる。
北九州という土地で福岡を消費してきた人間のいうことだが、まあそれでも福岡以外のところから福岡を知った人間よりももっと根っこのところで福岡のことを知っているつもりではある。
まあ、何が言いたいってそんなに悪いところではないということである。
仕事のスピードがのんびりしていて、比較的ゆったり過ごせるし、IT界隈も盛り上がって来ているから、移住の地としては非常にお薦めである。